子ども乗馬教室を始めて十年以上になります。毎年夏休みに集中コースを開き、小学生たちが馬と過ごす時間を見てきました。乗馬が子どもに与える影響について、大げさなことは言いたくありませんが、現場で繰り返し目にしてきたことがいくつかあります。

馬は正直に反応する

馬は人の感情に敏感です。緊張していると馬も緊張し、落ち着いていると馬も落ち着きます。子どもたちはこれをすぐに体感します。「怒ったら馬が動かなくなった」「ゆっくり話しかけたら近づいてきた」という経験を通じて、自分の状態が相手に伝わるということを学びます。これは言葉で説明するより、馬との関係の中で感じる方がずっと早く理解できます。

世話をする責任

子ども乗馬教室では、毎回ブラッシングと馬房の簡単な掃除を行います。馬は世話をしてもらうことを待っています。子どもが作業を途中でやめると、馬は待ち続けます。この「待たれている」という感覚が、子どもに責任感を持たせます。教室に通い始めた頃は途中で飽きてしまう子どもも、担当馬が決まってからは最後まで作業を続けるようになることが多いです。

失敗しても馬は怒らない

手綱の操作を間違えても、馬は怒りません。ブラッシングの力加減が強すぎても、馬は耳を後ろに向けるだけです。子どもにとって、失敗しても関係が壊れない相手と過ごす時間は貴重です。馬は結果より過程を見ています。うまく乗れなくても、丁寧に接していれば馬は応えてくれます。この経験が、失敗を恐れずに試すことへの抵抗感を少し和らげることがあります。

夏休み集中コースで見えること

夏休みの集中コースは五回連続で参加する子どもが多く、初回と最終回の変化が顕著です。初回は馬の大きさに圧倒されていた子どもが、最終回には自分でブラッシングの手順を説明できるようになっています。馬の名前を呼びながら馬房に入っていく姿を見ると、五回の時間が積み重なっていることがわかります。乗馬の技術より、その積み重ねの方が大事だと思っています。

夏休みの子ども乗馬集中コースは7月26日から8月30日まで開催しています。定員は各回6名です。お申し込みはご予約・アクセスのページからどうぞ。